表札在り

感情の白状日記

小田急線

何番線だったかも忘れた。

大好きなバンドのライブ帰り下北沢。

ギターを持った女の子を見かけた。

 

他に人が乗ってない車両だった。

あの髪色、背丈、細い目元。

全部がステージの上でベースを鳴らしていた君だった。

 

お互い気付いた瞬間、にやけてた。

ライブの感想を闇雲に押し付けた。

押し付けられてるのに嬉しそうにされて嬉しかった。

 

2人でお互いのライブレポを見せあって帰った。

堪らなく愛おしい時間だった。

 

ステージとフロアの関係は、

小田急線の電車内、1つ分の席の関係になっていた。

 

間違いなくあれは2人だけの時間だった。

この日の小田急線を僕は一生忘れない。